一級塗装技能士
一級塗装技能士とは
国家資格である技能検定制度の一種で、中央職業能力開発協会及び各都道府県職業能力開発協会が実施する塗装技能士に関する学科及び実技試験の1級に合格した者をいいます。
なお職業能力開発促進法により、塗装技能士資格をもっていないものが塗装技能士と称することは禁じられています。
一級技能士章
技能士章は、技能検定の合格者に常時着用して技能士の誇りをもつとともに、技能士は素晴らしい技能を持っていることを社会にアピールするため厚生労働大臣が交付するものです。
このバッジのデザインは、技能の技の字中心とした光とその間を結ぶ菊花によって構成されています。光は、技能の輝きを表し、菊花は、技能士の持つ名誉と誇りを表しています。
技能検定とは
労働者の有する技能の程度を検定し、これを公証する日本の国家検定制度。
労働者の技能と地位の向上を図ることを目的に、職業能力開発促進法に基づき昭和34年度より実施されています。
技能検定の目的
労働者の技能及びこれに関する知識の程度を判定する基準が、各地域によりバラバラであるとすれば、労働者の技能育成に支障が生じることから、全国的に基準を統一し、かつ、検定が公正に実施されるように、国家検定として実施しています。
技能検定の等級
検定には、等級が定められており、職種に応じて等級を区別するもの(「特級、1級、2級、3級」、「特級、1級、2級」、「1級、2級、3級」、「1級、2級」)と単一等級として等級を区別しないものがあります。
それぞれの技能程度は下記のとおり。
- ■特級
- 管理者または監督者が通常有すべき技能の程度。
- ■1級及び単一等級
- 上級技能者が通常有すべき技能の程度。
- ■2級
- 中級技能者が通常有すべき技能の程度。
- ■3級
- 初級技能者が通常有すべき技能の程度。
- ■基礎1級
(外国人技能実習生対象) - 基本的な業務を遂行するために必要な技能及びこれに関する知識の程度。
(研修経験1年の技能者が通常有すべき技能の程度。) - ■基礎2級
(外国人実習生対象) - 基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度。
(研修経験半年の技能者が通常有すべき技能の程度。)
塗装技能士の区分と等級
塗装技能士は木工塗装作業、建築塗装作業、金属塗装作業、噴霧塗装作業、鋼橋塗装作業に分かれ、等級はいずれも1級、2級に分かれます。
技能検定の実技作業試験内容
- ■建築塗装 1級
-
- ラワン合板に合成樹脂エマルジョン系複層塗材塗装(凸部処理を含む。)を行う。
- ラワン合板に、刷毛によりつや有合成樹脂エマルジョンペイント(2回塗り)塗装並びにローラーブラシにより、合成樹脂エマルジョンペイント塗装(パテ地付けを含む。)を行う。
- 吹付け塗装によるスプレーパターン作成を行う。
試験時間 4時間58分
- ■建築塗装 2級
-
- ラワン合板に合成樹脂エマルジョン系複層塗材塗装を行う。
- ラワン合板に、刷毛によりつや有合成樹脂エマルジョンペイント(2回塗り)塗装並びにローラーブラシにより、合成樹脂エマルジョンペイント塗装(パテ地付けを含む。)を行う。
- 吹付け塗装によるスプレーパターン作成を行う。
試験時間 4時間58分
1級と2級の作業内容の大きな違いは1.の凸部処理をするかしないか。2.の塗り分けの区画線のパターンと色の数(2色と3色)の違いです。
技能検定の学科試験内容
- ■建築塗装 1級
- A群(真偽法)25題、B群(多肢択一法)25題 計50題。
簡単にいうと、○×25問、4択25問です。
試験時間 1時間40分
塗装業者を選ぶ時
塗装業を営む場合、塗装作業を行う場合、通常の場合、免許や資格が無ければ出来ない。ということはありません。逆をいえば、素人でも技術が低い人でも塗装屋は出来るのです。実際、プロとはいえない仕事はたくさんあります。怒っている、泣いているお施主様もたくさんいます。技術は低いより高い方がいいのですが、粗悪な仕事をする業者や技術の低い職人にそのマークは付いていないのでわかりません。わかっていれば避けると思います。
ですから、技術の高いことがわかっている方から選べば間違いが少ないのです。全員が技能士の資格がある必要はありません。多いに越した事はありませんが一人でもいれば他の職人に指導する事も出来、全体のレベルが上がる可能性が高いからです。
業者を選ぶ際、確かな仕事を求めるのであれば、技能士がいるかどうか、確かめてみてはいかがでしょう?大切な財産を守るために同じ金額を出すのであれば、安心できる方が良いと思います。何も資格や免許が無いのにいい仕事をする職人もたくさんいるかもしれません。私も以前、「技能士でなくても腕はいい。」と豪語していましたし。しかし、仕事が終わってみないと、それも何年も経過しないと良し悪しがわからないのですから、最初からわかっている技能士に依頼すればよいのです。技能士であれば、最低でも技能検定に合格した技術や知識はあるのですから。